適応認知モデル

ボーナス付きマッチングペニーゲームにおける人間からエージェントへの適応プロセスの解明

寺田 和憲 (岐阜大学)
山田 誠二 (国立情報学研究所/総研大)

本研究では,人間とエージェントの利害が対立した状況を競合ゲームによってつくり出し,エージェントのオンラインでの行動戦略変化に人間がどのように適応するのかを調べた.まず,適応プロセスを利用フェーズと適応フェーズの二つのフェーズによってモデル化した.適応フェーズでは人間は自分自身の戦略を固定するのではなく,探査と利用を併用し,相手エージェントの戦略変化に適応する.利用フェーズでは,適応フェーズで獲得した相手の行動戦略モデルに従って搾取的に行動する.

さらに,適応速度に注目し,対人間の場合よりも対ロボットの場合のほうが適応速度が速いという仮説を導出した.モデルの妥当性と仮説の検証のために,ボーナス付きマッチングペニーゲームを用いた参加者実験を行った.実験の結果,相手の戦略変化に対し,探査と利用を併用した適応フェーズが存在することが確認された.また,対人間の場合よりも対ロボットの場合のほうが適応速度が速いことが確認された.

ボーナス付きマッチングペニーゲームのスナップショット

ボーナス付きマッチングペニーゲームのスナップショット


相手が人間かロボットかの違いによる適応速度の差

相手が人間かロボットかの違いによる適応速度の差

学会発表

  • 寺田 和憲,山田 誠二,伊藤 昭:ボーナス付きマッチングペニーゲームにおける人間からエージェントへの適応プロセスの解明,人工知能学会論文誌,Vol.27, No.2, pp.73-81 (Feb. 2012)
  • Kazunori Terada, Seiji Yamada, Akira Ito: Experimental Investigation of Human Adaptation to Change in Agent’s Strategy through a Competitive Two-Player Game, In Proceedings of the 30th Annual CHI Conference on Human Factors in Computing Systems (CHI 2012), pp.2807-2810, Austin, USA (May 2012)